kojack-ferrariのクルマ道

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【整備メモ】F355 ベルリネッタ フロントバンパー塗装修理

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※この記事は、2021/11/18に公開した内容をリライトしたものです。

フロントバンパーの現状

ウチのF355Bは1999年式なので今年で満23歳。

サーキットも走らないし、そんなに激しいドライビングをしたことはないので、比較的状態は良いです。(と思っています😉)

それでも20数年走らせれば、飛び石の一つや二つ食らっちゃうし、いつの間にか傷が増えていることも…

ご覧のとおり飛び石による塗装欠けや立体駐車場のスロープでアンダーカバーを打ち付けた時の衝撃でヒビが入っているのがわかります。

気を付けているつもりでも、走っていればこういった傷は不可避だと思います。

器用な方ならご自分でリペアされるかもしれませんが、kojackはあいにくそのような技量も度胸も持ち合わせていませんので、板金塗装をお願いすることにしました。

ショップ選びの難しさ

以前、初めてのフェラーリである328GTBに乗っていた時、衝突事故の被害者となったことがあります。

側道から飛び出してきたクルマに衝突され、左側全体を半損してグチャグチャになりました。
その時は気が動転して、とりあえず購入したショップに連絡し引き取ってもらうことに。



フルレストアに近い作業だったのですが、ショップ任せでただひたすら待つこと1年半…

確かに見た目はまあ直ってきたのですが、細かい部分をチェックすると仕上がりが酷過ぎる😫

それでも相手方保険会社への請求額は900万円を軽く超えるものでした😱

その時相談に乗っていただいたのが、今回作業依頼した東京都町田市にある「アライ鈑金」でした。
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フェラーリ社認定オフィシャルショップにもなったことがある、この世界では有名な板金塗装ショップです。

荒井社長がこの修復された328GTBの仕上がりをチェックされた時のコメントは忘れもしません。

「kojackさん、コレ素人仕事だな。フェラーリ全く知らない人の仕事。カローラとかしかやったことないんじゃない? 200~300万円くらいの仕事だよ。」

ショックでした😥

いくらお任せしたとはいえ、自分の顧客のクルマを利用してボロ儲けしようとした業者が許せませんでした。
 
それから荒井社長に、フェラーリの塗装とはどういう作業なのか、何がポイントで、どうすれば完璧に仕上がるのか、お店にお邪魔するたびに教えていただきました。

やむなく最初の328GTBは思いもかけない状況で手放すことになりましたが、大変勉強になった一台でもありました。

アライ鈑金はシャシーフレーム修正用ジグも備えていて、ミリ単位での修正も行える本格的な板金修理を得意としています。
 

また、フェラーリの塗料は時代によって塗料がGlasulit社とPPG社に分かれますが、Glasulitをストックしている塗装屋さんは滅多にありません。

これまでにいくつかのショップにGlasulit社指定で塗装を依頼しようとすましたが100%断られました。
それが、アライ鈑金の棚には各色ズラリと並んでいるのです👏

確かな技術と本物の資材が揃っていないと板金塗装は酷いものになります。
荒井社長は若かりし頃イタリアへ渡り、マラネロのフェラーリ専門板金塗装工場で修行されていたとか…
  
素人にはなかな判断が付かないショップ選び。

でも足繫く通い、仕事に対する考え方を聞き、作業場の状況を見ていればそのショップが信頼できるかだんだんとわかってくるものです。

アライ鈑金はほんの一例であって、それ以外のショップを否定するものではありませんが、酷い目に遭わないためには時間と労力をかける必要がありそうです。

修理作業の実際

いろいろと書きましたが、それではアライ鈑金での作業風景をご覧いただきます。

まずはフロントバンパーの取り外しです。

今回はヒビが入ってしまったので交換することになりました。
荒井社長からその理由を教えていただいたので、参考までに記しておきます。
 

F355は1995年から1999年まで製造されましたが、製造時期によってバンパー成型の技法が違っているのだそうです。

前期はハンドレイというグラスファイバーを型に合わせて貼り合わせる従来のFRP成型方式、後期はコールドプレスと呼ばれる手法となります。
 
ここで問題なのが、後期のコールドプレス。

ヒビなどが入った場合、ハンドレイなら修復箇所にファイバーを貼り合わせて接着できるのですが、コールドプレスで成型したものは困難なのだそうです。

左側:最初に仮合わせして取付穴の修正をします。
右側:下地処理としてピンクのサフェーサーを吹いています。

ここもポイントなのだそうです。このピンクでないとあの美しい ”rosso corsa" のカラーは再現できないとのこと。

左側:下地処理後、現車に合わせて調色したrosso corsaを塗装しています。
もう一つ気付いたのは、下側左右の黒い部分はバンパーと別体だと思っていましたが、黒く塗装してあるんですね!
右側:塗装後の乾燥工程です。眩いくらいの艶が出ていますね✨

組み上げて完成です。
左側:どうですか?この深い艶と輝き。実車は驚くほど艶めかしい赤です😍
右側:曇っていたフォグランプレンズもサービスで磨いていただきました。

以上、F355Bのフロントバンパー塗装修理の作業レポートをお送りしました。

塗装作業を検討されていらっしゃる方や将来のオーナーさんのために少しでもお役に立てたら幸いです😌

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