kojack-ferrariのクルマ道

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《ホンネ試乗記》アバルト 595コンペティツィオーネ ~サソリの毒は強烈~

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595コンペティツィオーネってどんなクルマ⁈

FCAジャパンより発売されているアバルト595コンペティツィオーネ。
ヤル気満々の顏をしたイタリアンホットハッチです。f:id:kojack-ferrari:20220307171121j:plainご覧のとおりアバルト595というのは、元々はフィアット500(イタリア語で”チンクエチェント”と読みます)をベースにしたもの。

これにアバルト社がエンジン、足回り、内外装を ”激辛🌶🌶🌶” のスポーツ仕様にカスタマイズしたモデルとなります。
 
搭載されるエンジンは、1.4L DOHC直列4気筒ターボ(180ps/250Nm)。
1120kgの軽量な車体にはオーバースペックともいえるハイパワーエンジンです。 

この高出力エンジンに対応する足回りは、フロント:マクファーソンストラット、リア:トーションビーム
これにKONI製FSDダンパーが標準装備されます。  

また、ブレーキは4輪ディスク方式。
フロントにはドリルドディスクにbrembo製4ポットアルミキャリパーが奢られています。

全長:3660mm、全幅:1625mm、全高:1505mmのコンパクトなボディは軽自動車と並べても遜色のない小ささ。

それでいて、存在感たっぷりの溢れ出るオーラは、やはり秀逸なイタリアンデザインのなせるワザなのかもしれません。

ところで、”595” というネーミング、気になりますね~🤔

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この595という数字は、1963年に登場した先代モデルである「フィアットアバルト595」に由来します。

このモデルは、アバルトフィアット500のエンジン排気量を595ccまで拡大してハイパワー化し、数々のレースで大活躍したクルマでした。
 
現行モデルは元々「アバルト500」でしたが、小排気量スポーツモデルの代名詞となった「フィアットアバルト595」のフィロソフィーを受け継ぐ形で2013年より「アバルト595」というネーミングになりました。

サソリの毒にやられたらイチコロ

今回の試乗はkojackの愛車、アバルト595コンペティツィオーネの限定車、「パフォーマンス・パッケージ3」でお届けします。

このクルマは2019年に全国160台(右H:80台、左H:80台)限定で発売されたモデルで、イタリアのバッキ・ロマーノ機械式LSD(差動制限装置)が標準装備されています。
 
キーを捻り、エンジンに火を入れるとまず耳に飛び込んでくるのが図太い重低音のエキゾーストノート

コンペティツィオーネには ”レコードモンツァと呼ばれる4本出しのエキゾーストシステムが標準装備されています。
 
このマフラーは、外側2本が直管、内側2本が消音器に繋がっていて、通常はバルブ制御で内側2本のみから排気され、エンジン回転が3000rpmくらいまで上がると排圧でバルブが開き4本全部から排気される仕組み。(最新型ではバルブ開閉を手動で切り替える方式になっています)
 
アルミ削り出しのシフトノブを握り、1速にエンゲージして走り出します。

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クラッチは軽くそれほど踏力を必要としませんが、シートポジションが高くペダルを踏み下ろす姿勢になるため、渋滞時のノロノロ運転では脛の疲労が溜まりやすくなります。

車格に対して十分なトルクがあるので、クラッチミートさえ丁寧に行えばなんなく加速態勢に入ります。
 
595コンペティツィオーネは2つの走行モード(ノーマル、スポーツ)をセンターコンソールのボタンひとつで切替可能で、ターボブースト量、出力トルク値(ノーマル:230Nm、スポーツ:250Nm)、パワステアシスト量、排気音量、メーターのグラフィックデザインなどが変更されます。
 
体感的には燃調のマッピングも変更されているようで、スポーツモードではアクセル開度に対する反応もかなり鋭くなり、ブーストが1.2barまで立ち上がるとその加速は暴力的。

「胸のすくような加速感」とはまさにこのことで、これを体験すると一発で ”サソリの毒” にやられますよ😜
 
最近では珍しくトルクステア(加速時に左右輪の回転差が生じてステアリングがとられること)まで味わえる通泣かせなクルマですww
 
トランスミッションに関しては、1、2速は若干ローギヤード気味ですが各速の繋がりはスムーズでトルクバンドを外すようなことはありません。

シフトフィールは、FF(前輪駆動)としては標準的なストロークと節度感だと思います。

サスペンションはスプリング、ダンパーともクラス最強のハードセッティングで、乗り味はかなり硬め。



一般的なセダンにお乗りの方だと ”サスが付いていないんじゃないの?” と思われるかも😉
 
KONI製FSDダンパーは減衰力自動調整機能を持っていますが、低速時のダンピングレートが高過ぎてバタバタ感がスゴい!

代わりに、高速域では足が良く動いているのが手に取るように分かるセッティングなので、得意なスピードレンジは80~120km/hくらい。
 
ステアフィールはクイックで舵の入力に対する反応も良い。

ただし、入力時にターボが立ち上がると(LSDが効くこともあって)かなりイン側に巻き込むクセがあるので旋回中のアクセリングには要注意。

595コンペティツィオーネにはsabelt製リクライニングバケットが装備されていて、ホールド感が最高です。

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特筆すべきはサイドサポートの形状。

サーキット走行などで4点式ハーネスを装着してステアリングを切り込んだ時でも肘が干渉することなくスムーズに操作できます。

本格的なバケットシートでクッションは薄く座り心地も硬いので、乗り慣れるまで時間がかかるかもしれません。

良い意味でも悪い意味でも ”イタリアン” な一台。

見方を変えれば、何でも屋ではない、自分らしさを持ったクルマともいえます。

エンブレムのサソリだけでなく、内外装のあちこちにいるサソリは全部で15匹。
 
個性的で存在感のあるスタイリング、強烈で暴力的な加速感、クセのあるドライブフィール…

このサソリの毒にやられたら、イチコロでアバルト信者になりますよ。

荷物なんて積む気はありません⁈

軽自動車並みに小さなボディですから、物理的にも広い荷室は望めません。

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とはいえ、荷物を積むこともあるので一応調べてみましょう。

荷室サイズに関して正式なアナウンスはありませんが、簡易計測では荷室幅約1000mm、奥行き500mm程度なのでハンドキャリーくらいのバッグなら横倒しできます。

立てれば中型スーツケース2個くらい積載できるでしょう。

リアシートは50:50の分割可倒式ですが、フルフラットにならないので使い勝手はイマイチです。

まあ、チンクはドライバーひとり運ぶのが得意なので許してあげてください😉

イタリアンホットハッチここに在り

いろいろと書いてきましたが、595コンペティツィオーネは走る愉しみを教えてくれる現代では貴重なクルマです。

衝突回避ブレーキもなければアダプティブクルーズコントロールもない、アクティブセーフティもパッシブセーフティも快適装備もほとんどありませんが、「走る」「曲がる」「止まる」ための装備なら世界の逸品が揃っています。

でっかいターボブースト計だってちゃ~んと付いています。

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イタリア人の考える ”クルマの在り方” や ”クルマの楽しみ方” を体現したのが、この595コンペティツィオーネ。

595のちょっと生意気な顏を見ていると、「イタリアンホットハッチここに在り!」と言っているようです。

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