我慢の時
ユーノス・ロードスターとの出会いは、誠に不純でここに書くのも憚られるようなものでした。
当時の愛車はボルボ・850エステートで、週末になるとサーキットへレース観戦に行ったり、ロングドライブで小旅行を楽しんだり、と充実したカーライフを送っていました。
しかし、心の何処かで子供の頃からの夢である ”フェラーリ・328GTBを買う” という思いがモヤモヤしながらも燻っていたのです。
その頃は仕事がピークで平均睡眠時間4時間足らず、時には週末も出勤して17連勤なんてこともあり、心身ともに疲弊していた時期でもあったので、余計にクルマに対する妄想やストレスも蓄積していたのかもしれません。
それでもDino246gtsに乗る従兄から、
「フェラーリを買いたいのならしっかりお金を貯めて、他のクルマに浮気なんかしちゃダメだよ。」
と釘を刺されていたので、328GTBを買うまでは何事も我慢!と心に言い聞かせていたのです。
魔が差した
月100時間を超える残業が続いていたこともあり、お金は順調に貯まりました。
”そろそろ中古の328GTBを探して、良いタマがあれば購入しようかな…”
なんて考えていたある日、残業の合間に夜食でも、と会社の近くをフラフラしていたところ、いつの間にか最近オープンした中古車屋の前に。
もう無意識でした。
なんでそこにいたのかも思い出せませんが、極度のストレスから夢遊病者のように吸い寄せられたのかもしれません。
数十台のクルマが並ぶ展示場の中で、ひと際目を惹くクルマが一台。
ブリリアント・ブラックに輝く『ユーノス・ロードスター Vスペシャル』
引用元:Nosweb.jp https://nosweb.jp/nostalgichero/articles/detail/891
しかも純正ハードトップ付のキレイなクルマでした。
プライスが相場より安く、直観的に ”何かある” と店員に確認すると、実は事故歴があります、とのこと。
この頃、既に車歴は10台を超えていたし、査定士の友人から中古車の見極め方を仕込まれていたので、それなりにクルマを見る目はあったように記憶しています。
そこで即試乗して、いろいろと試して確認。
これはイケる!と思ったら、夜食のことも忘れて契約書にサインしていました。
”魔が差す” とは、こういうことを言うんですね。
328GTBは遠のきましたが、人生初のオープンカー・ライフを満喫することに。
まるで手足
納車後すぐに、これまでのストレスや鬱憤を晴らすかのように、吸排気、足回り&タイヤ、ロールバーにフルバケットシート、4点式シートベルト、ボディ補強と次々とモディファイを続け、かなりイメージに近いクルマに仕上がったロードスター。
引用元:Nosweb.jp https://nosweb.jp/nostalgichero/articles/detail/891
B6型1.6L DOHC直列4気筒エンジンは120psとほど良い出力で、フルスロットルでパワーを使い切れる乗り味。
ポテンザRE71のコントローラブルなグリップにも助けられ、峠や一般道でもブレーキングドリフトに持ち込め、楽しく遊べるクルマに。
ABCペダルの配置も適正でヒール&トーを決めやすく、クイックなステアリングレスポンスの35фナルディ・クラシックとの相性も抜群でした。
クルマの限界を知るにつけクルマがもう手足のようになり、毎日の通勤ですらワクワクするほど。
夏の夜や真冬にヒーターをガンガンかけながらオープンで走る快感に、やっぱり買って良かったとひとり納得したのもでした。
2年後、偶然現れたフェラーリ・328GTBを購入することになりお別れしましたが、今でも乗りたいクルマとして心に刻まれている名車です。
一番クルマに夢中だった頃の相棒にまた会いたい。
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