F430とは
デビューは2004年。
フェラーリ・デザインの文法に従って、カロッツェリア・ピニンファリーナが手がけたボディは、先代360モデナのデザインコンセプトは継承しながらも、当時のF1マシンなどのテクノロジーを積極的に導入し、よりシャープで攻撃的なフォルムに生まれ変わりました。
それは外観だけに留まらず、360モデナで課題であった空力特性を改善し、大幅なダウンフォース(車体を下側に押し付ける力)を獲得することで、走行安定性の向上という命題の解決にも成功しています。
ミッドシップに搭載されるエンジンは、車名が示すとおり4.3L V型8気筒DOHCで、可変バルブタイミング機構を装備。
最高出力:490PS、最大トルク:47.4kgf·mのパフォーマンスは申し分なく、走るたびに快感を得られるのは言うまでもありません。
興味深いのは、F355/360モデナで採用していた吸排気バルブを5バルブから4バルブに戻したこと。
一説には、F355のような高回転型エンジンでは、5バルブだと吸気中央のバルブがその熱で変形してしまいエンジン性能に影響することがあったため、とも言われています。
しかし、F430がパイオニア的存在である理由は、これらのことではありません。
それまで踏み入れなかった領域=電子デバイスへの挑戦こそ本当の理由なのです。
例えば、
・ローンチコントロール(LC)
CST(トラクション制御機能)を解除しLCボタンで設定、左足でブレーキを踏み回転数を上げた所でブレーキを離すとクラッチが繋がり発進するシステム。
・E-Diff
エレクトリック・ディファレンシャルの略で、電子制御の差動装置。
従来の差動装置に比べると、駆動力の損失を抑制。
といった具合。
F1との連接性
前項でも触れたとおり、F430はF1をはじめとするレーシングテクノロジーのフィードバックをより強調したモデル。
そのことがカタログからも読み取れます。
ご覧のとおり巻頭の見開きページには、F2004が登場しますし、巻末では当時のF1マシンであるF2004とF430のホイールベース(前後車軸間の距離)やトレッド(左右タイヤ接地面中心間の距離)が同じであることを示しています。
360モデナで問題となったスタビリティの解決を簡潔に表現しているのかもしれませんね。
M・シューマッハを擁して、F1で6年連続コンストラクターズチャンピオンを獲得するなど最高潮の時期だったことも影響していると思いますが、F1との連接性をフィーチャーすることで、速くて強いフェラーリ、最新のテクノロジーを搭載したフェラーリを印象づけているのでしょう。
また、全体を通じて感じたのは、スパイダーをかなり推しているということ。
最初のページでもスパイダーが上に配置されていて、中ほどでもソフトトップの開閉機構を詳説、後半でも俯瞰写真を載せるなどグイグイと推しています。
時代背景もありますが、これまで以上に北米市場を強く意識した構成となっています。
驚きの!
実はF430が発売された年、東京モーターショーのフェラーリブースで具にこのクルマを観察しました。
というのも、コーンズの担当営業が会場にいて、ステージでごゆっくり見ていってくだいと案内されてのこと。
そこで驚いたのが、ブレーキシステム。
まだレーシングカーぐらいでしか見たことのないカーボンセラミックディスクブレーキがオプションで採用されています。
マテリアルもさることながら、その径の大きさに新時代を感じざるを得ませんでした。
エンジンはヘッドカバーだけでなくインダクションポッドまで赤の結晶塗装が施され、非常に美しい仕上がりに。
360モデナから継承されたガラスハッチ方式のエンジンフードや大型のレインレールを装備し、雨中の走行も気になりません。
メーターも鮮やかなイエローの垂直指針式。(カラーは他にも選択可)
10,000回転まで目盛られているところが憎い。
そして、最後にご紹介するのがコレ。
全てはこれに尽きますww
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