※この記事は、2022/1/12に公開した内容をリライトしたものです。
急増する横断中の事故
お正月明けの1月中旬。
毎日のように目にするのが、歩行者、特に高齢者による道路横断中事故のニュース。
2022年1月6日のニュース。
6日午後6時25分ごろ、奈良県広陵町三吉の町道で、道路を歩いて横断していた夫婦が軽トラックにはねられ死亡した。
捜査関係者によると、死亡したのは靴下専門店「靴下屋」を展開するタビオ(大阪市)の創業者で会長の越智直正さん(82)と妻の麗子さん(71)=いずれも同町。
奈良県警香芝署は7日、自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで、軽トラを運転していた同県田原本町大網の会社員、出口博章容疑者(45)を逮捕した。
同署によると「前をよく見ていなかった」と容疑を認めているという。
同署によると、現場は片側2車線の直線道路で横断歩道や街灯はなかった。
道路を渡った先にタビオの関連施設があり、同署が詳しい事故原因を調べている。引用元:「靴下屋」会長夫婦、軽トラにはねられ死亡 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/3a17f9d4ed5208bdee697d45c02211691ded08d5
不幸にもご夫婦が同時に亡くなられた事故でした。
ここで、注目していただきたいのが、
”現場は片側2車線の直線道路で横断歩道や街灯はなかった”
というところ。
被害者は、恐らく斜め横断をしていて事故に遭ったということだと思います。
同様の事故が全国で後を絶ちません。
この事故の場合、”片側2車線” ということは、推測ですが全部で4車線の幅員の広い道路。
街灯もなく、恐らく信号もない場所で、夜6時半頃では辺りは真っ暗でしょう。
いくらクルマを運転している人が注意を払っているといっても、全ての道路で斜め横断まで常に想定して走ってはいないと思います。
ましてや、夜、真っ暗な片側2車線の大通りを高齢者が斜め横断しているとは思っていなかったでしょう。
歩行者がいつも優先ではない
もしかすると、ここまでお読みいただいた方の中には、”歩行者優先なのだから、加害者であるクルマの運転手が悪い” と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、前述の事故では加害者が前方不注意を認めていますので、安全管理義務を果たしていません。
当然処罰されるべき事案です。
では、被害者には過失はなかったでしょうか。
道路交通法(道交法)には、歩行者の横断に関して次のような規定があります。
2 歩行者は、道路標識等によりその横断が禁止されている道路の部分においては、道路を横断してはならない。
また、クルマの直前・直後や横断禁止の標識がある場所では、道路を横断してはいけません。
これらの規定は、努力目標ではなく制限規定=歩行者が守らなければならない義務規定です。
もちろん、違反者には2万円以下の罰金又は科料が科されます。
当たり前のことですが、交通社会において歩行者がいつも優先なわけではありません。
道交法にも、信号を無視して、斜め横断をしている歩行者にまで優先権があるとは書かれていないのです。
自分の身は自分で守る
”自分の身は自分で守る”
ということです。
”歩行者優先”と主張しようが、運転手さんが安全管理に努めていようが、結局、事故に遭えば、命を落としたり、怪我をして辛い目に遭うのは歩行者自身です。
kojackの父も、駐車車両の直後を斜め横断してクルマにはねられ、車いす生活になり亡くなりました。
どんなに加害者を責めても、元の身体を取り戻すことはできません。
綺麗事を言うようですが、kojackは歩行者である時も信号を守り、必ず横断歩道を渡ります。
たとえ誰も信号を守らない、3歩で渡れる横断歩道でも、赤信号なら待ちます。たとえ周りにクルマの気配がない深夜の信号でも守ります。
これは道徳のハナシではありません。
万が一、何かが出てきてぶつかったら?
もし、気づかない方向からクルマが来たら?
自分がクルマを運転している時に感じる歩行者の危うさのフィードバック。
ドライバー目線での危機管理の行動です。
怪我をしたら、損するのは自分です。
自分の身は、自分にしか守れません。
このブログをお読みの方々、特に高齢者の方々、ご家族に高齢者の方がいらっしゃる方々は、いま一度、歩行者の交通ルールについて顧慮いただきますようお願いいたします🙇