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《ホンネ試乗記》フェラーリ F355 ベルリネッタ ~至高の咆哮を放つ跳ね馬~

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F355ベルリネッタってどんなクルマ⁈

1994年から1999年にかけてフェラーリ社より発売されていたF355ベルリネッタは、フェラーリ社初の5バルブを採用した新設計3.5L  DOHC V型8気筒エンジンをリアミッドシップに積んだスーパースポーツです。f:id:kojack-ferrari:20220310142521j:plain348シリーズから採用されたセミモノコックフレームには、「Tipo F129B」と呼ばれるバンク角90° V8 3.5L 40バルブDOHCエンジンが搭載されています。

最大出力380PS/8,200rpm、最大トルク36.7kgf·m/5,800rpmを発生する超高回転型エンジンです。

ギアボックスはフェラーリ初の6速MT。
 
このエンジンは高回転、高出力なだけでなく、F355シリーズの代名詞ともいえる超高音のエキゾーストノートを奏でることでも知られ、ファンの間では ”F1サウンド” と呼ばれています。
 
F355シリーズは、エンジンマネジメントの違い及びエアバッグの有無によって、「PA」、「PR」、「XR」の3タイプに分類されます。

各コードの「P」はエンジンマネジメントシステムがボッシュM2.7を、「X」はボッシュM5.2を指し、「A」はエアバッグ無、「R」はエアバッグ有を意味しています。

トランスミッションは、中期である「PR」までは6速マニュアルのみでしたが、後期「XR」でフェラーリ初の2ペダル・セミオートマチックシステムである「F1マチック」が追加され、AT限定免許でも気軽にフェラーリを楽しめるようになりました。(実際にはとても気を遣うトランスミッションでした😅)

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足回りは、前後ダブルウィッシュボーン式ビルシュタイン製のダンパーは電子制御可変式で「コンフォート」と「スポーツ」から選択できます。

ブレーキは、前後ともブレンボ製アルミ対向4ポットキャリパーを備えたベンチレーテッドディスク式。
 
全長:4250mm、全幅:1900mm、全高:1170mmのボディタイプは3種類。

クーペスタイルの「berlinetta(イタリア語で元は”幌馬車”の意味)」、ルーフトップを取り外し可能な「GTS」、それと幌付きオープントップの「スパイダー」。
 
スタイリングはフェラーリミッドシップモデル伝統のトンネルバックスタイル
エンジンフード中央に大型エアアウトレットを設けるなど排熱対策にも工夫がなされています。

また、SRSエアバッグやABSを標準装備するなどセーフティ面でもアップデートされたクルマです。  
 
ところで、このF355というネーミングはそれまでのフェラーリとは少し違ったルールで名付けられています。

「308」から始まるV8シリーズは、エンジン排気量+気筒数がそれまでのルールでした。
例えば「308」シリーズであれば、3.0L V型8気筒から”308”というように。

F355に当てはめると ”358” となるはずですが、最後が ”8” ではなく ”5”。
 
これは、フェラーリ初の5バルブエンジンを採用したことから、3.5L 5バルブエンジン搭載ということをアピールする意味で従来のルールから逸れて「F355」と名付けられたと言われています。 

心に火をつけるカンツォーネの響き

今回の試乗は、kojackの愛車1999年式XRモデルのF355ベルリネッタ(6MT)でお届けします。
 
最終モデルの1999年式でも既に23年の歳月が経過しているので、ネオクラシックの域に入ってきたF355ですが、その走りは未だ輝きを失っていません。
 
油圧式を採用しているため、それまでのワイヤー式に比べ格段に踏力の軽くなったクラッチ、ヒートエクスチェンジャーによって素早くトランスミッションオイルを温めてエンゲージしやすい6MT、そして非常に軽いパワステのおかげで何の苦もなく走り出します。

F355は元々排気量が3.5Lもあるため、アクセルを開けることなくクラッチミートしてもスルスルと動き出します。エンジンのピックアップが鋭く、パワー、トルクがあるので、むしろミートするまではアクセルを開けない方が安全です。
 
基本的に超高回転型エンジンなので4000rmp以下ではそれほどパワーを感じないかもしれませんが、そこからは180°スローのクランクがもたらすレーシングエンジン並みの鋭利なピックアップで瞬時に8000rpm付近まで吹け上がり爆発的パワーが炸裂します。

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フロント及びリアのスポイラー型のボディ形状やアンダーボディをフラット化するなど空力面でも改良されていて十分なダウンフォース(クルマを路面に押し付ける力)を得られているので、高速域でもスタビリティは高く、旋回時のヨー(上下を軸とした回転方向)変化やロール(前後を軸とした回転方向)変化も抑えられています。
 
忘れてならないのがエキゾーストノート

レッドゾーンまで回した時の盛大なカンツォーネの響き、至高の咆哮は、一度味わうと病みつきになります。
 
試乗車はMSレーシング F355 ver.4を装着しているため、ノーマルマフラーに比べ更に高音となるので、トンネルなどで全開走行すると得も言われぬ美しいF1サウンドに鳥肌が立ちますよ。

メーターはオーセンティックな2眼式。
メーターナセルには大径のスピードメータータコメーター、その間に油圧計と水温計が上下に配されています。

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補助メーターはセンターコンソールに配置。
左から時計、燃料計、油温計となっています。
 
白色のレタリングは昼間の視認性は大変良いものですが、夜間はバックライトが緑色な上に若干暗いので少し見にくいかもしれません。

パワーと音には何の不満もないF355ですが、難点もあります。
 
まずは、ブレーキシステム。

前述のとおり、ブレンボ製アルミ対向4ポットキャリパー+ベンチレーテッドディスクは仕様上は問題ありませんが、実際乗ってみると容量不足は否めません。

ディスク径300mmではさすがにストッピングパワーがエンジンパワーに負けています。
 
また、純正のAte製ブレーキパッドの利きがいま一つなことも不満の要因かもしれません。

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次に、パワステ

F355は「PR」モデル以降エアバッグが装備されたこともあり、現代のクルマに比べるとかなり大径のステアリングを採用しています。
 
このステアリングはグリップも細く、ニュートラルセンター(ステアリングが真っすぐの状態での中央不感帯)の ”アソビ” もスポーツカーにしては大きめ。

要はステアリングがちょっとフラフラしているわけです。
 
そんな状態に拍車をかけているのが軽いパワステ
もちろんステアリングは軽い方が楽に運転できるのですが、ある程度の速度域ではどっしりした感触でないと怖いものです。
 
ところが、F355の場合、現代のような車速感応式とかプログレッシブ式といったバリアブルなアシストなどできるはずもなく、ひたすら軽い…

それもご丁寧に超低速でもスイスイ切れるような軽さが超高速域でも続くのです。
これは経験しないとわからない恐怖ですが、なかなかスリリングですよ😨  
 

不満な点もありますが、実はルーミーで視界も良く意外なほど乗りやすいF355。
ただし、街乗りで注意すべきは車高の低さ。
 
フェラーリはほとんどのモデルに共通してフロントオーバーハング(前輪車軸中心線より前方に飛び出した部分)、つまり ”ハナ” が長く、切り下げた歩道の横断や立体駐車場などのスロープは苦手。

極低速でよほど注意していないと、フロントアンダーボディを擦ることになります。
 
また、駐車する際もマフラーやディフューザーが輪止めの縁石に間違いなく干渉しますので、ある程度下がったら必ず降車して目視確認してから寄せます。
 
それと、ただでさえ幅1900mmもあるのにドアの厚みがもの凄いので、駐車する場所を選ばないと ”入れたはいいが降りれない” ということになります。(わりとフェラーリあるあるです😜)

気になる維持費

さて、いつもなら居住性や積載性などの実用度を計測するワケですが、F355に興味のある方々にはきっと何の価値もないものだと思いますので、今回はコストについて少し記してみたいと思います。

ここ数年、フェラーリ、特にネオクラシックと呼ばれる308、328、F355などは車両価格も高騰しています。
モノによっては2000万円超えの個体も出てきていますね。

そんなF355を手に入れて、楽しいFerrariライフを送りたいと思っている方が一番心配されているのが維持費ではありませんか?
 
ここでは、KojackのF355Bについて実際にかかった費用を元に、【イニシャルコスト】と【ランニングコスト】の概算を算出してみました。

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【イニシャルコスト】
自動車税:3000cc超~3500cc以下のため、58000円ですが、新車登録から13年以上経過していて環境負荷が大きいため66700円になります。

自動車重量税:~1.5tで24600円

自賠責保険:25ヶ月で20610円

④任意保険:契約内容によりますが、対人、対物無制限で車両保険(一般)を含めると概ね30~50万円程度でしょうか。(各種割引による)
 ちなみにkojackはゴールド免許割、35歳以上限定、本人限定、割引等級最大なので10万円くらいかな⁈)

⑤点検・車検費用:1年点検整備費用が5~30万円、車検整備費用が15万~100万円(ディーラー、ショップによりけり)

小計:70万円くらい(任意保険、車検整備費用を各30万円で試算)

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ランニングコスト
①燃料費:使用状況によりますが、燃費は4~6km/Lなので、月に300km走るとして、10000円くらい。

②駐車場代:地域によりますが、5000~100000円

③修理費用:ピンキリですが、タイベルとクラッチ交換を行うと100~200万円、エンジンオイル漏れ修理で10万~20万円、エキゾーストテンプアンプ交換で20~40万円、エアコンガス漏れ修理で20万~50万円と様々です。

④タイヤ代:銘柄によりますが、概ね10万~20万円

小計:100万円/年くらい(駐車場3万円、修理費50万円、タイヤ代10万円で試算)


 
このほか突然の不調や周期的な重整備、鈑金などもあるので、実際にはプラス50万円/年くらい見ておいた方が無難でしょう。

まあ、こんなもんです😉
kojackのF355はイイ子なので、ランニングコストは平均50~60万円/年くらいです。

こう書いてみると、Ferrariライフもなかなか大変です💦
でも、エンツォ時代の名残を感じさせてくれる、このF355。

人生で一度くらい”道”を外して所有してみるのも良いかもしれません。
そう!それがクルマ道への入口ですw

でも…
購入する時はくれぐれもご家族の了解を得てからにしてくださいね😉

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