今回は、免許制度のハナシです。
※この記事は、2023年1月15日に公開した内容をリライトしたものです。
返納問題
ここ数年、高齢者による交通死亡事故が数多く発生しています。
もちろんそれ以外の年齢層でも起きていますが、超高齢社会に移行している中で、明らかに増加しているであろう高齢者による事故。
事故が起きるたびに論争となる「運転免許返納」問題。
加齢に伴う身体の老化や反応速度の低下などは科学的にも立証されており、これは否定しようのない事実。
それ故、一定の年齢、例えば70歳を迎えたら、免許を自主返納して運転を辞めることで事故を物理的に抑止すべきという意見。
一方、地方など公共交通網の脆弱な地域に住む人にとっては、自家用車はライフライン同様の生きる術であり、到底免許返納など甘受できないという主張。
どちらも一理あり、免許返納は決定的解決策となっていないのが現状。
問題は個人の能力
2023年1月8日のニュース。
福岡県古賀市天神3の市道で4日、91歳の男が運転する乗用車が歩行者の女性をはねる事故があり、意識不明だった女性が7日、死亡した。
県警粕屋署は車を運転していた同市の男(91)を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕し、容疑を過失運転致死に切り替えて調べている。
発表では、4日午前10時25分頃、丁字路交差点を右折した際、横断歩道を歩いていた同市花見南1の本山厚子さん(80)をはね、本山さんをボンネットに乗せたまま約15メートル走行した。本山さんは頭を打ち、7日に死亡が確認された。
男は「妻を病院に連れて行くため免許は返納していなかったが、早く返納しておけばよかった」と話しているという。
引用元:読売新聞オンライン https://news.yahoo.co.jp/articles/81ac24b4f7c30035dc385dac559e5f4016be9e26
悲惨な事故ですね。
この地域のことはよく知りませんが、容疑者の供述からみて交通手段の少ない場所と推測されます。
しかし、こうして事故を起こせば、例え91歳だろうが逮捕され、法の下裁かれるのです。
まさに ”後悔先に立たず”
でも、これは高齢者だから起きた事故なのでしょうか?
前述のとおり、たしかに加齢に伴う老化は高齢者全員に該当する身体的変化でしょう。
しかし、だからといって全員が常に事故を起こしているわけではありませんよね。
逆に言えば、若年層や壮年期の人でも事故を起こす人はたくさんいます。
もっと言うなら、事故を起こす人は若い時から何度も繰り返す人が多く、無事故の人は生涯事故を起こさないという人もいます。
つまり、高齢者だから回避できなかった可能性はあっても、高齢者でなければ事故が起きなかったわけでもない=個人の能力差だと思うのです。
ライセンス制という考え方
モータースポーツ、自動車やバイクのレースでは、ライセンス制が導入されています。
『A級ライセンス』なんて聞いたことがありませんか?
そのレースの格式に合わせたライセンスを取得しないと、どんなに優れたレーサーでも出場することができません。
そのライセンスを取得するには、階級(国際A級や国内C級など)ごとに条件が付されており、それをクリアしないと受験すらできません。
自動車運転免許もライセンス制を導入すればよいと思います。
例えば1級~4級に階級を分け、階級ごとに走れる道路と運転できるクルマの規格が制限され、違反した場合は原則、免許取消+欠格期間10年というようにするのです。
1級は全て無制限、4級は高速道路や国道、バイパス道など制限速度50km/h以上の道路は走行禁止、運転できるクルマは最高速度50km/h未満の多種制限機構(安全機能)付のみとする、といった具合に個人の技量によって制約の幅を変化させます。
自由に乗りたい人は、学科試験と大変難しい技能試験に合格する必要があり、合格するまではどんなにお金持ちでも好き勝手に運転できず、違反すれば即免取…
もちろん、自動車メーカーの協力と自治体や警察などの徹底した管理が必要ですが、こうすれば自然と人やクルマの能力別にスクリーニングされ、安全な交通社会が確立すると思うのですが、いかがでしょうか。
あくまで個人的な一つの提案ですが、返納ばかり叫んでいるよりは前進だとは思いませんか?
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