※この記事は、2021/12/17に公開した内容をリライトしたものです。
シフトロッドの現状
328くらいの時代はまだシンクロがそれほど強くないので、シフトチェンジの際にエンジン回転を合わせてもなかなかシフトが入りにくいことがあります
kojackの328GTBもご多分に洩れずシフトが固く、特に2速へのエンゲージには苦労しています。
ギヤオイルが良く温まっていないと、”ゴクッ” とか ”ガキンッ” といった心臓に悪い音がして冷や汗をかいたりして💦
これは、ギヤオイルの相性もありますが、一番の原因はシフトロッドの取付角度がズレていること。
フェラーリのシフトは上記写真のように櫛歯状のシフトゲートが切られているため、殊、取付角度がシビアになります。
取付角度を調整するには
328のシフトはシフトロッドと呼ばれる棒状のシャフトがギヤボックスからオイルパン(エンジンオイルを溜めておくところ)まで貫通してして、シフトリンケージに接続しています。
このシフトロッドの角度を調整するには、ギヤボックスのカバーを分解してシフトフォークの動きを確認しながら行う必要があります。
当然ギヤオイルも全部抜くことになるので、作業前に必要量のギヤオイルも準備しておくことをお忘れなく!
また、合わせてギヤオイルやエンジンオイルの漏れを確認しておくと、後々の整備計画も立てやすくなります。
328の場合、前述のとおりシフトロッドがオイルパンを貫通しているため、ギヤボックスとオイルパンに設置されているオイルシールが劣化すると、ギヤオイルが漏れるだけでなく隣のオイルパンに浸入してエンジンオイルと混ざり、エンジン不調の原因となります。
シフトロッドの調整は専門的な部分であり、また、一人ではできない作業なのでプロに任せましょう。
調整作業の実際
今回も主治医であるロペライオファクトリーセンターの駒本工場長に作業を依頼しました。
(なお、今回はエンジンオイル漏れ修理も合わせて実施しているため、オイルパンも分解されています。)
作業に当たっては、最初にギヤボックスやオイルパン外側カバーの清掃から始めます。
これは修理や調整を行った後にオイル漏れや新たな故障を発見するのに役立つためです。
続いて、オイルパン前方に出ているシフトロッドの先端に工具を接続して、回転させながらシフトフォークの動きを確認します。
シフトフォークの動きで各ギヤをセレクトするので、各ギヤにエンゲージした状態でシフトフォークの角度(位置)を確認し、最適な角度を求めます。
駒本さんのお話によると、シフトフォークの位置が曖昧で、ある意味どこでもそれなりに取り付けられてしまうらしいのですが、それだとどこかのギヤがエンゲージしにくくなってしまうため、各速で最適な角度を探すのが大変な作業なのだそう。
角度が決まれば、あとは調整ナットを締め込んで完了となります。
インプレッション
シフトロッドの角度調整後、試乗してみた感想ですが、まず驚いたのがギヤオイルが冷えた状態で走り出しても2速へ軽くエンゲージできること。
328に乗ったことのある方ならお分かりだと思いますが、これは奇跡に近いこと。
思わず笑みがこぼれました😄
もちろん、それ以外のギヤも軽い力でスコスコとシフトレバーが吸い込まれていきます。
ギヤオイルが温まってからは、当然の如く滑らかにシフトゲートのスロットにエンゲージできます。
実は、1台目の328GTBも同じように2速が渋かったので、当時お世話になっていた永井工業の永井さんにシフトロッドの角度を調整していただいて劇的に改善したことがありました。
そのことを思いだして今回作業依頼したという経緯があります。
ストレスなくシフトチェンジできた時の快感をオーナーの方々にはぜひ味わっていただきたいので、もし ”2速が渋くて…” という方は一度角度調整を試してみてはいかがでしょうか?
以上、328GTBのシフトロッド調整の作業レポートをお送りしました。
調整作業を検討されていらっしゃる方や将来のオーナーさんのために少しでもお役に立てたら幸いです😌
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