kojack-ferrariのクルマ道

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美しさの源 ~カロッツェリアという文化~

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一世を風靡した工房

carrozzeriaカロッツェリア” とは、伊語で元々は馬車工房のこと。

自動車が陸上交通の中心となり、その役割も車体のデザインや製造へと移り変わっていきました。

自動車産業の黎明期には、自動車メーカーはエンジンやシャシーのみを製造し、ボディの架装はカロッツェリアが担当するというのが一般的で、顧客の好みに合わせて一台ずつデザインされたため、同じ車種やモデルでもカロッツェリアによって全く違うデザインのクルマが誕生していたようです。
 

カロッツェリア” という名のとおりイタリアで栄えたこの産業は、その美意識から歴史に残る素晴らしいデザインを生み出し、一世を風靡しました。

わけても、ピニンファリーナベルトーネ、イタルデザインといった有名なカロッツェリアはその時代、互いに競うように名作を世に送り出すのです。

時代を彩った名車

イタリアのカロッツェリアが輩出した名車は数多くありますが、マスターピースと呼べる作品は限られると思います。

今回はkojackの独断と偏見でチョイスした傑作を何台かご紹介しましょう。 ご意見いろいろおありだと思いますので、コメント欄にどうぞ😉

最初は、ピニンファリーナから。
歴代フェラーリのデザインを担当し、その関係は現在まで受け継がれています。
一台に絞るのは困難なほどいずれのデザインも秀逸なのですが、敢えて挙げるならコレ。

引用元:Nosweb.jp

Dino246gt…

フェラーリのエンブレムこそ与えられませんでしたが、ミッドシップフェラーリのデザイン的礎を築いたといって良いピニンファリーナの代表作。

フロントフェンダーの峰から流れるようなウエストライン、トンネルバックを囲むなだらかな稜線など、90年代まで連綿と続くデザイン・アイデンティティは、Dinoで確立されました。

続いては、ベルトーネ
同社には、後にイタルデザインを主宰することとなるジョルジェット・ジウジアーロマルチェロ・ガンディーニといった著名なカーデザイナーが在籍していたことでも広く知られています。

このカロッツェリアも名作揃いですが、一台というならやはりこのクルマしかありません。

引用元:LEVOLANT CARSMEET WEB

ランボルギーニミウラ…

前述のDino246gtと同時期に発表されたミッドシップスポーツカー。
マルチェロ・ガンディーニの手によるデザインは、流麗にして理想的なバランスを保ち、このうえない美しさを醸し出しています。

また、ポップアップ式ヘッドライトがデザイン的な特徴ですね。
ウェッジシェイプがトレンドとなることをいち早く感じ取ったのかもしれません。
 

最後は、イタルデザイン
ベルトーネに在籍していたジョルジェット・ジウジアーロが興したカロッツェリアです。
ジウジアーロは、カロッツェリアというよりジウジアーロ個人の作品が有名で、日本車のデザインも多数手がけているので、彼の名前を耳にされた方もいらっしゃるのでは⁈

一例を挙げると、いすゞ117クーペマツダ・ルーチェ(初代)、アルファロメオ・ジュリア・スプリントGT、マセラティ・ギブリ(初代)など。

イタルデザインといえば直線的なラインと面構成によるデザインが代名詞。
一台というには惜しい名車が多いので、今回はコレ😜

引用元:B-cles car

ロータスエスプリS1、フォルクスワーゲン・ゴルフ(初代)、フィアット・パンダ(初代)、いすゞジェミニ(2代目)…

いずれもイタルデザイン、ジウジアーロらしいスッキリとしたストレートラインでまとめられ、機能美に溢れたデザインとなっていますね。

時代を映す鏡

こうしてみると、カーデザインというのはファッション同様、時代を映す鏡であり、その時々のトレンドを意識しながら美を追求してきたことがわかります。

そして、イタリアのカロッツェリアとは、クルマという工業製品を美しい芸術品にまで引き上げた源であるともいえるのではないでしょうか。

クルマを単なる移動手段として見るのではなく、そのラインやボディのうねり、まるで生き物のような艶めかしさを眺めて愉しむひとつの文化として確立したのが、このカロッツェリアなのでしょう。

寂しいことに現代では、カーデザインは自動車メーカー社内にシフトし、独立系カロッツェリアは衰退の一途を辿っています。

生き残りをかけて家具や家電などのデザインを請け負ったり、プロトタイプの研究など多角的な経営を模索しているようですが、イタリアが育んできた素晴らしい美の世界、そして文化を絶やすことなく、未来へ引き継いでもらいたいと願うばかりです😌

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