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事故に遭わないために ~認知症患者と交通社会~

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目が離せない

7月8日のニュース。

8日午前2時35分ごろ、兵庫県淡路市釜口の国道28号で「路上に倒れている高齢男性が複数の車にはねられた」と通行人から110番があった。
男性は大型トラックや乗用車など5台に相次いではねられ、間もなく死亡した。
県警淡路署によると、現場は片側1車線の直線道路。通報者が路上に倒れている男性に声をかけると返答はあったが、動くことができなかった。
走行してきた大型トラックと乗用車はブレーキをかけたが間に合わずに男性をはね、後続の3台は男性をはねて走り去ったという。
淡路署は5台の運転手から事情を聴いている。
男性は認知症で近くに住んでいたとみられ、同署が身元を確認している。

引用元:車5台にはねられる 路上に倒れていた認知症の高齢男性死亡 兵庫(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

https://news.yahoo.co.jp/articles/8bf0c59f9d7b869e7c198b035bb12493cf9f0c2f

認知症の高齢者がはねられ死亡するという痛ましい事故。

認知症

多種の病気が原因で、認知機能を司る脳機能が持続的に障害を受けると認知症を発症すると言われています。

特に高齢者に多くみられるもので、65歳以上では15%程度が罹患しているという統計もあります。

代表的なアルツハイマー病や脳血管性認知症など、原因によっていくつかの種類に分類される認知症

認知機能が低下する箇所によっても現れる症状は異なり、投薬治療などにより進行を抑制することはできますが、完治するというのはなかなか難しいようです。

物忘れや計算ができない、うつ症状などの症状がありますが、なかでも「徘徊」は危険な症状の一つ。

四六時中目が離せないくらい、活発に徘徊してしまう患者もいます。

3歳児と思って

実は、kojackの祖父、実母も認知症を患っていました。

祖父の時は離れて暮らしていたこともあり、母が面倒をみてくれていたので苦労は知りませんが、話を聞くとやはり徘徊が酷かったようです。

85歳くらいまで明確な認知症症状はなかったようですが、発症してからは黙ってフラっと出て行ったきり夜になっても帰ってこないとか。

何度か市の防災無線で呼びかけてもらったり、近所を捜索して見つけたこともあったようです。

本人は当然悪気もなく、けろっとしたもので、
「床屋に行ったら家がわからなくなって歩いていた。」
といった具合…
時間の概念も薄く、なんと8時間近くも徘徊していたそうです。

前述の被害者も、もしかしたら何か思い立って徘徊した挙句、疲れて(眠くて)路上に寝ていて轢かれたのかもしれませんね。
 

実母は脳血管性認知症を6年ほど患い亡くなりましたが、最初の3年ほどは自宅で介護していました。

うつ症状や記憶障害、遂行機能障害が酷く、ボヤ騒ぎを起こしたり、オレオレ詐欺に遭いかけるなどやはり目が離せない感じでした。

実父が同居していましたが、こちらは交通事故により歩行機能障害となり車いす生活だったため、いろいろと介助が必要で、母から朝に晩に実家に呼び出され、最後は仕事中も関係なくスマホが鳴りっぱなしという時もありました。

最初は実母が認知症となったことがショックで受け入れられず苦しみましたが、主治医の、
「これはお母さんではなく、あなたの修行の場なんですよ」
という言葉で、気持ちの整理がついたのを覚えています。

”自分が歳を取った分だけ、親は子供に帰っていく”

親はいつまで経っても親ですが、目の前には3歳児がいると思えば、何でもがんばれました。

交通社会をどう生きるか

話が少し逸れましたが、認知症患者を何年か介護した経験から、今回のような事故に遭わないためにはどうすべきか、お話しします。

結論からいうと、自宅介護は非常に難しいので施設へ入所させるのが得策です。

kojack家は共働きで子供なしなので、何かあればどちらかが仕事を休んで実家に駆けつけていましたが、ともに会社で中堅のポジションにあったのでなかなか頻繁には休めません。

どちらかが退職して介護専業となるかも検討しましたが、自分達の生活もあり断念。

仮に妻が専業主婦だったとしても、女性一人で両親を同時に介護(介助)するのは到底無理な話。
ヘルパーさんも雇いましたが、経済的な問題から毎日来てもらうのは大変です。

そのうえ、実子だと相手も遠慮がない ”3歳児” なので、なかなか厳しいことを言ってきたり、無理な要求もしばしば。

と、実態としては介護疲れでノイローゼになりそうな時期もありました。

でも、見放すわけにもいかず、決断したのが老人ホームへの入所。

入所させて気づいたのは、24時間管理体制が整った施設で、看護師さんやヘルパーさんが面倒をみてくれることも大切でしたが、なにより話し相手ができることが本人にとって一番重要であり、幸せなことなんだな、ということ。

この体制なら、徘徊癖がある人でも簡単に外出できませんし、逆に外出イベントを企画してくれて水族館などへお出かけすることもあって、自宅にいた時よりいきいきとしていましたね。

認知機能の低下とともに歩行機能も明らかに低下するので、認知症患者を一人で外出できてしまう環境に置くのは危険だと思います。

施設入所も簡単ではないことは重々承知していますが、経験からいうとこれが一番効果的な交通事故防止策だと感じます。

誰もが罹患する可能性がある認知症
患者も大変ですが、介護する人はもっと大変。

できれば無理せずお互い気持ち良く暮らせたら、それが一番の幸せ。
事故などに遭わず楽しく生きられるよう、支えてあげたいですね。

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