スカイラインGT-Rとは
その歴史を紐解くには、1968年に開催された第15回東京モーターショーまで遡らなければなりません。
ここには、当時市販されていたGC10型スカイライン(通称:ハコスカ)をベースに、プロトタイプレーシングカーであるR380のエンジンを改良した直列6気筒DOHCエンジンを搭載した「スカイラインGTレーシング仕様」が出品されました。
これが、『スカイラインGT-R』の原点といえるでしょう。
翌、1969年2月に初代スカイラインGT-R(PCG10型)が発売されると、その3ヶ月後にはツーリングカーレースに参戦。
以後、3年以上にわたって勝ち続け、奇跡の49連勝(連勝数は諸説あり)を達成。
スカイラインGT-Rは、初代にして伝説のクルマとなりました。
次のGT-Rは、KPGC110型(通称:ケンメリ)。
車重が重くなり、S20型エンジンも他車に対抗できなくなったため、レースには参戦せずに終わりましたが、違った意味で伝説を作ったクルマです。
それは、生産台数。
生産期間3カ月、わずか197台という数でその生涯を終えています。
これ以降、16年間GT-Rは生産されませんでした。
満を持して復活したのが、1989年登場のBNR32型スカイラインGT-R。
新設計RB26DETT型直列6気筒DOHCエンジンに、ATTESA E-TSというトルクスプリット型4WDを搭載し、レースホモロゲーション対応の限定車も続々発売。
レースでも大活躍したBNR32型GT-Rは、国内レースで通算63勝を挙げ、初代の57勝を凌ぐ戦績で新たな伝説を打ち立てました。
また、バブル景気を背景に約44,000台を売り上げ、シリーズ最高の販売台数を記録したことも逸話の一つ。
BCNR33型GT-Rを挟んで、最後のスカイラインGT-Rとなったのが、本日ご紹介するBNR34型スカイラインGT-Rです。
究極のGT-R
BNR32型で復活したスカイラインGT-Rですが、基本的な構成はこの型から連綿と受け継がれています。
つまり、RB26DETT型エンジンとATTESA E-TSによる4WDという基本コンポーネンツは同じ。
ただし、その内容は年を追うごとに熟成され、トルクの向上、アクティブLSDへの準拠、また空力面での見直しにより前モデルより格段に速く、安定した走りを実現しています。
エンジン特性は非常に素直で、ゲトラク社と共同開発された6速トランスミッションとの相性も抜群。
1,560kgの重量級ボディをなんなく高速域まで運びます。
秀逸なのは、ギヤレシオ。
ターボであることを感じさせないシームレスな繋がりを見せ、峠道でもバタつくことなくコーナーを攻めることができます。
その走りに一役買っているのがブレーキシステム。
フロント:アルミ対向4ポット、リア:アルミ対向2ポットのbrembo製キャリパーを備え、初期制動から踏力に応じた制動力のブレーキシステム。
市販のGT-Rは、4WDといっても原則、FR(後輪駆動)で、リアタイヤの空転度合いでフロントタイヤにトルクを配分(最大50:50)する仕組み。
クルマ好きな方ならお分かりのとおり、トルク配分が変化するクルマのブレーキセッティングは非常に難しいのですが、サーキットでの限界走行でない限り大変コントローラブルな挙動を示します。
最後にして最高
こういった特別なクルマは、大抵最後のモデルでは時代に取り残され、寂しい終焉を迎えるのが一般的ですが、このBNR34型スカイラインGT-Rは違います。
生産終了してから20年が経過した今なお非常に高い人気を誇り、中古車市場でも1,500万円~3,000万円超までと新車価格の数倍のプライスで取引されています。
まさに、最後にして最高の『GT-R』
国内外のレースシーンで数々の伝説を残すとともに、故・高橋国光氏をはじめ伝説となった名ドライバーを育てたスカイラインGT-R。
日本が誇るこの名車に一度触れてみてください。
ステアリングを握った瞬間に、心を震わせる ”何か” が伝わってくるはずです。
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