eフューエルとは
ここ数年、「脱炭素社会」とか「カーボンニュートラル」といったキーワードがテレビやネットを賑わせています。
脱炭素社会とは、「二酸化炭素の排出が実質ゼロの社会」のことで、地球温暖化の原因となる温室効果ガス/CO2排出量をゼロにする社会のこと。
また、カーボンニュートラルとは、CO2排出量をプラスマイナスゼロにすることを目指すものです。
これらの起点となった環境破壊の元凶と考えられているのが、クルマや工場から排出される大量のCO2。
このCO2排出をいかに抑制するか…
自動車業界では、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池自動車)など様々なアプローチでカーボンニュートラルの実現に向けて試行錯誤しています。
そんな取り組みの一つが、「eフューエル」と呼ばれる合成燃料。
引用元:産経新聞
合成燃料とは、水素と炭素を化学反応させて作る燃料のことで、ガソリンや軽油に混ぜて利用できます。
合成燃料のうち「eフューエル」と呼ばれるものは、「水素もCO2も出さない製法で生成する」というものを指します。
生成過程で、原料となる炭素をクルマや工場から排出されるCO2から得ることで、地球温暖化防止に貢献できる燃料として注目されています。
eフューエルのメリット・デメリット
このeフューエル、一体どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
【デメリット】
①生成過程で大量の電気を必要とする
水を電気分解して水素を得るため大量の電気が必要となりますが、その際、CO2を排出させないために生産性の低い再生可能エネルギーの活用が必須。
②高コスト
①に関連して電気の供給に多額の費用を要するため、現段階では6~700円/Lと高単価となっている。
③CO2の調達
当初は工場排出のCO2から炭素を抽出する考え方だったが、社会全体がCO2抑制しているため必要なCO2を確保できない。
【メリット】
①既存のエンジンに利用可能
現行のガソリン/ディーゼルエンジンにそのまま利用できるため、現存するクルマを改造する必要がない。
②インフラ整備コストを抑制
充電スタンドや水素ステーションの建設には膨大なコストがかかるが、eフューエルは既存のガソリンスタンドを利用できるのでインフラ整備が不要。
③レアアース不要
EVに必要不可欠なバッテリーを製造する際必要となるレアアースがeフューエルには不要。
現存するガソリン/ディーゼルエンジンに手を加えることなく使用できることが最大のメリットでしょう。
ガソリンエンジン延命には必要な燃料であり、技術だと思います。
今後の課題
ガソリン・軽油の代替燃料として利用価値の高いeフューエル。
しかし、その製造過程で必要となる再生可能エネルギーは太陽光や風力を必要とするため、プラント建設には地理的条件が影響します。
現在有力視されるアフリカや南米は政情不安な地域が多く、安定供給が保証されません。
また、天候や天災にも供給量が左右されるため、人間の英知だけでは解決できないという課題もあります。
一方、これまでクルマの歴史を支えてきたガソリン/ディーゼルエンジンを搭載した自動車の登録台数は、世界中で13億4千万台ほど。
これらのクルマは、いわば人類が発明した現代の工業遺産。
この遺産を簡単にスクラップにすることなく、様々な産業や暮らしの発展に寄与した証として後世に引き継いでいくために、eフューエルのような代替燃料の研究開発が進むことを願っています😌
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