kojack-ferrariのクルマ道

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《ホンネ試乗記》フェラーリ 328GTB ~誰もが認める、その流麗なるスタイリング~

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328GTBってどんなクルマ⁈

1985年から1989年にかけてフェラーリ社より発売されていた328GTB/GTSは、ピニンファリーナの手掛けた流麗なボディに、3.2L  DOHC V型8気筒エンジンをリアミッドシップに積んだスーパースポーツです。

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このクルマは、ピッコロフェラーリ(8気筒エンジンモデルをこう呼びます)として人気を博した308シリーズの後継モデルとしてデビューしました。

ボディデザインを担当したのは、カロッツェリア ピニンファリーナのデザイナー、レオナルド・フィオラヴァンティで、その流麗なスタイリングは歴代フェラーリの中でも最も優美なモデルのひとつと称されています。

特徴的なのがサイドに配されたエアスクープで、これはリアミッドシップに積まれたエンジンに空気を送り込むための仕掛けですが、製造工程ではドアパネルをこのスクープの形に切り取って、そこに手作業で象ったパーツを溶接して仕上げるという手間のかかったもの。

まだフェラーリが一日に10台程度しか生産できなかったマニュファクチャリング時代を象徴する逸話です。


エンジンは、308の最終モデルであるクワトロヴァルボーレ(イタリア語で「4バルブ」の意)の排気量を200cc拡大させることで、最大出力270㎰/7,000rpm、最大トルク31.0kgf·m/5,500rpmを得ました。

ただし、当時は仕向地別に仕様が異なり、触媒付きとなる日/米仕様は260ps、スイス仕様は255psとなります。

足回りも308シリーズ同様、前後ダブルウィッシュボーン式、ダンパーは後期の一部までKONI製、最終モデルはビルシュタイン製を装備しています。

308シリーズから大きな変化を見せたのは内・外装デザインで、先述のとおりフィオラヴァンティによるスタイリングは流麗でまとまり感があり、インテリアの各スイッチもそれまでのトグルスイッチからプッシュ式に変更されるとともに、メーターをはじめとする各所がモダナイズされました。

ディメンションは、全長:4,255mm、全幅:1,730mm、全高:1,120mmと、非常に低く伸びやかなアピアランスを持っています。

特筆すべきはその生産台数で、GTB:1,344台、GTS:6,068台となっており、GTSが極端に多いのは、当時オープンカーが人気だった北米市場の拡大を狙った販売戦略によるもの。

デザインありきの…

今回はkojackの愛車、1988年式 328GTB(日本仕様)による試乗記をお送りします。

328GTBは、それまでのピッコロフェラーリとは一線を画すモダンなデザインと走りで新時代の幕開けを感じさせるクルマです。

その一つがエンジンマネジメントシステム。
308シリーズでもKジェトロニックによる電子制御インジェクションは途中から採用されていましたが、シリーズ全体がキャブレター式から脱却した最初のモデルです。

また、1989年式の一部からはABSを標準装備するなど安全面での充実も図られており、より近代化されたクルマと言えましょう。

その走りですが、1,280kgほどの車重に対して270ps/31.0kgf·mのエンジンパワーは必要十分な動力性能を示します。

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8気筒のフェラーリには、レーシングカーと同じ180度スローのクランクが与えられるため、エンジンのピックアップは非常に軽やか。

5速マニュアルトランスミッションのギア比も適正で、トップエンドまで滑らかにギアを繋いでいきます。

大排気量NA(自然吸気)ゆえのフラットなトルク特性とも相まって、街中でのドライブも難なくこなし、中間加速も申し分ありません。

一方、ドライビングポジションはチグハグで、手が遠く足が近い、いわゆる”イタリアンポジション”

調整機構を持たないステアリングのため、手に合わせるしかなく足を持て余すことになります。

また、ギアボックスの上にエンジンがレイアウトされる二階建て構造のため、旋回Gのかかる中・高速コーナーではリアがぐらっと傾くことがあり冷や汗をかくことも…

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いずれもデザイン優先の弊害と思われますが、それを押してもこの美しいボディデザインを貫き通したが故に、今なお誰もが認める類い稀なる流麗なスタイリングを顕示しているのです。

ウィークポイントとその対処

328GTB/GTSにおける代表的なウィークポイントを二つお伝えします。

①オイル漏れ
328GTB/GTSの持病の一つですが、有名なのがカムシャフトシールからのオイル漏れ。

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写真左側の黄色丸部分にカムシャフトシールが装着されますが、そのOリングが劣化して漏れます。

ご覧のとおりタイミングベルトのすぐ近くに漏れたオイルが垂れるので、付着するとコマ飛びによるバルブクラッシュを起こすことがあります。

写真右側のように、リフトアップしてオイルパンにオイル汚れが付着している場合、そのほとんどはカムシャフトシールかオイルパンガスケットから漏れています。

早急にパーツ交換して対処することをオススメします。

②シフトロッド調整不良
もう一つの持病というか調整不足による不具合は、シフトが固くエンゲージしにくいこと。

特にギアオイルが温まるまでは2速に入りづらく、無理に押し込むと ”ガキッ” とか ”ゴクッ” といった大きな音がして心臓に悪いです😨

原因はシフトロッドの位置出し調整不足。
大抵のクルマはこれが狂っていて、2速だけでなくシフトの入り具合が渋くなっています。
信頼できる整備士さんに調整してもらえば、嘘のように各速へ軽くエンゲージできるようになります。
 

美しいスタイリングとは裏腹に、現代のクルマとは違い、パワステもなくクラッチも重いスパルタンな乗り味。

ドラポジも今ひとつですが、レブシンクロさせながらコーナーを駆け抜ける瞬間の愉しさは、まさにpriceless。

こんなクルマと過ごす休日も悪くないですよ😉

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