ノックセンサーの現状
前回に引き続き、F355Bのエンジン整備の一つであるノックセンサーを交換したので、整備状況をご報告します。
そのノックセンサーとはどのような働きをしているのか?
というところからお話ししましょう。こんな形をしたセンサーですが、その働きは…
エンジンがノッキング(シリンダー内部で異常燃焼が発生し、カリカリといった音や振動が発生したり、ピストンリングが摩耗してピストンスカートがシリンダーを叩き、振動が発生すること)を起こした際、それを検知してエンジンを制御してるECUに信号を送り、点火時期を自動調整するものです。
特に高回転時のノッキングは、ピストンやピストンリングの焼損、ヘッドガスケットを吹き飛ばすなどの障害を引き起こし、最悪エンジンブローとなるので早期の対策が重要です。
kojackのF355Bはどうかというと、別のトラブルで入院中にテスターで不調原因を探っていたところ、左ノックセンサーのエラーが検知されました。
普段乗っている時にノッキングさせたこともなければ、高回転時にノッキングが発生したこともありませんが、新車から23年も経過しているのでセンサー自体の寿命が来たのかもしれません。
主治医の勘
日頃から2台のフェラーリはロペライオファクトリーセンターの駒本工場長にメンテナンスをお願いしています。
駒本さんは、フェラーリの修理、メンテナンスを長く経験され、知識も豊富ですが、何より対処に関する引出しの多さが傑出しています。
そのため、今回のように複数のトラブルが発生しても何から手をつけるか、どのように対処するかということを技術面、安全面、コスト面などを複合的に考慮しながら提案してくれます。
その駒本さんが、
「ノックセンサーはすぐに交換しましょう!」
とおっしゃるのですから、その重要性は言わずもがなですね😉
主治医の勘は信じないといけません。
F355BのエンジンはV型8気筒なので、ノックセンサーは左右バンクに一つずつ装着されているのですが、エラーは左側だけ。
でも、前述のとおりノッキングは起きていないということはセンサー自体の寿命なので、早晩右側も壊れると考え左右とも交換することにしました。
交換作業の実際
ノックセンサーはエンジンVバンクの中央に装着されているので、まずラジエターサブタンクの取り外しから始めます。
続いて、アクセルリンケージを取り外して、古いノックセンサーを取り出します。
新品のセンサーを取り付け、アクセルリンケージやラジエターサブタンクを戻して完了です。
因みに、ラジエターサブタンクを取り外す際にLLC(冷却水)を抜くので、取り付け後必ずLLCを補充してください。
忘れるとオーバーヒートしますよ😱
繰り返しになりますが、ノッキングはエンジン内部を非常に高温にしてピストンやプラグなども破壊する恐ろしい現象です。
”カリカリ”、”キンキン” といった音がしたら即工場で診てもらいましょう。
稀にマニュアル車で発進時に ”カラカラ" という音とともにクルマがガタガタすることがありますが、このノッキングは『スナッチ』といってエンジン故障ではなく運転ミスですのでご安心を😜
以上、F355Bのノックセンサー交換の作業レポートをお送りしました。
交換作業を検討されていらっしゃる方や将来のオーナーさんのために少しでもお役に立てたら幸いです😌
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よろしくお願いします。