思いもよらぬことが…
一昨日のニュースに、次のようなものがありました。
25日午後5時25分ごろ、横浜市中区石川町5丁目の市道で、男性がトラックにひかれ、搬送先の病院で死亡が確認された。神奈川県警伊勢佐木署が男性の身元を調べている。
署は同日、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで、トラックを運転していた鎌倉市今泉台1丁目、団体職員の男(50)を現行犯逮捕。容疑を過失致死に切り替えて調べている。
署によると、現場は一方通行の直線道路。男性は道路の中央付近に倒れていたところをひかれたとみられる。
引用元:横浜・中区の市道 トラックにひかれ男性死亡 | カナロコ by 神奈川新聞 (kanaloco.jp)https://www.kanaloco.jp/news/social/case/article-814078.html
真冬の夕暮れ、車道の中央に人が寝ていると誰が想像しますか?
しかし、このような事案でもドライバーが逮捕されました。
この辺りは朝から飲酒して道路で寝ていたり、飲酒運転の自転車が車道の真ん中をフラフラしている地域です。
もちろんクルマを運転中は前後左右に注意しているので、殆どの情報は把握できます。
ただし、人間には先入観というものがあり、社会通念では考えられないようなことはある程度脳が自動的に取捨選択してしまうため、このような光景に出くわすと咄嗟には理解できなかったり、別の情報(マネキンか何かだろう、といった)に置き換えたりしてしまうらしいのです。
実際には人が寝ていてクルマがぶつかれば…結果は前述のとおり。
思いもよらぬことがあるのが世の中。
何かあったらまずブレーキですね。
歩行者厳罰化の動き
車道の真ん中に寝ていてよいわけはなく、これは歩行者に大きな問題があります。
以前、このブログでも歩行者の交通ルールについてお話ししたことがありました。
これをお読みいただいた方々なら次のようなことは絶対されないと思いますが、またしても痛ましい事故が起きました。
25日午後7時ごろ、東京都大田区東六郷2丁目の国道15号で、近くに住む70代の無職男性が車いすで横断中、乗用車にはねられ、搬送先の病院で死亡した。
警視庁蒲田署は車を運転していた神奈川県茅ケ崎市の男性会社員(28)から事情を聴くとともに、事故の状況を調べている。
署によると、現場は信号機や横断歩道がなく、男性は手動の車いすで渡っていた。
男性会社員は「暗くて気が付かなかった」と話している。
引用元:車いすの男性はねられ死亡 東京・大田(共同通信) - Yahoo!ニュースhttps://news.yahoo.co.jp/articles/51ad049708bd2ce96a13b48e73d1c41e62896060
まさに歩行者が守るべき交通ルールを全て無視した結果、命を落とされたのです。
現場は日本でも最大級の国道である「第一京浜国道」、いわゆる ”第一京浜” とか ”一国” と呼ばれる地元では有名な交通量も激しく、速度も出ているメガ国道です。
若者でも躊躇する幅員の広い4車線のこの道路を、手押しの車いすで斜め横断などあり得ない行為です。
コメントでも、「あの第一京浜を車いすで斜め横断は自殺行為」とか「すぐ近くに横断歩道と信号があるのに何故斜め横断?」など歩行者の行動を疑問視する声が多数挙がっていました。
警察も、全国的に多発する歩行者の道交法違反による事故を重く見て、歩行者の過失責任を問う対応を始めました。
「交通弱者」として保護されてきた歩行者が、交通事故の加害者として警察に摘発されるケースが相次いでいる。
ルールを無視した歩行者の行為が引き起こす重大事故が多発しているからだ。
警察は悪質な歩行者に警告書を交付する取り組みを始めるなど対策を強化している。
引用元:歩行者が事故の加害者に 摘発増 - Yahoo!ニュース
横断禁止の標識の横を斜め横断する歩行者や赤信号を無視して無理に車道を渡り、走行中のバイクを転倒させ、運転者に怪我を負わせた歩行者などを取り締まっています。
ヒトとクルマが対等な社会に
昭和30〜40年代のクルマが少なかった時代には何があっても歩行者優先で許されましたが、これだけクルマが普及した現代では、何でもかんでも歩行者優先というわけにはいきません。
誤解のないよう先にお話ししておきますが、kojackがお伝えしたいのは、歩行者批判ではなく、現代のモータリゼーションは、"ヒトとクルマの共生"ということを考える時期にある、ということです。
そのため、自動車製造会社はあらゆる技術を開発して、歩行者保護の仕組みを取り入れ、この20年余りで格段に安全性の高いクルマを作り上げました。
それに対して歩行者はどうでしょうか?
交通安全教育や道交法セミナーなど自らの安全を確保するための取り組みを積極的に進めてきたでしょうか?
寧ろその逆で、歩行者優先意識ばかりが肥大化して、前例のような傍若無人な振る舞いが日常化し、その結果自らの命を落とす結果になっているとしか思えません。
これは、国をはじめとした "歩行者優先絶対主義" が生み出した弊害でもあると考えます。
歩行者とクルマが事故になれば問答無用でクルマが悪いという旧態依然の考え方が司法にも固着しており、それが歩行者の蛮行に拍車をかけてきたのだと思います。
この考え方が打破されるキッカケとなったのがドライブレコーダー。
ドラレコの普及によって、これまで口頭でしか状況を把握できなかった警察も、歩行者の過失、悪質な違反の実態を掴むことで、やっと少しずつドライバーの正当性が認められるようになりました。
本来、事故は一方的な過失などありません。
理論的には、一方が完璧に安全を確保していれば事故は避けられるのです。
事故が起きる時は双方に過失があり、その割合で被害者と加害者が決定されるはずです。
にも関わらず、これまでは一方的にクルマが加害者という前提で裁かれてきました。
これがドラレコにより客観的な証拠をもとに適正に裁かれるようになったことは喜ばしいことです。
ただし、これもクルマ側の努力によってあるべき姿に歩みを進めたに過ぎません。
"ヒトとクルマの共生"
真の意味でこれを実現するには、クルマだけに責任を押し付けず、歩行者や自転車などがより積極的に交通ルールや安全に対する理解、研究を進めていかねばなりません。
これからは「誰が優先」などという考え方はなくなると思います。
いつもお伝えしていることですが、
"自分の身は自分で守る"
人もクルマも、です。
お互いが立場を理解して共生できる社会が実現できるよう願っています。
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よろしくお願いします。