脱炭素社会の要請
年の瀬も迫った2021年12月下旬。
一つの歴史に幕が降ろされました。
ホンダは2021年で撤退するF1最終シーズンのドライバー部門で、30年ぶりに王座を奪還した。優れたエンジンのブランドイメージに貢献してきただけに撤退を惜しむ声もある。ホンダは経営資源を電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)に振り向け、「脱エンジン」を加速させる。
引用元:ホンダ、F1王座30年ぶり奪還も撤退 脱エンジンに資金と人材集中:朝日新聞デジタル (asahi.com)
ホンダがF1(フォーミュラワン)から撤退したのです。
実に30年ぶりにドライバーズタイトルを奪取したにも関わらず、です。
F1でタイトルを取るということはプロスポーツの世界でも偉業中の偉業✨
そんな偉業を成しえた会社が向かう先は、「脱エンジン」。
2022年、ホンダは脱炭素社会の要請を受け、電気自動車や燃料電池車の開発を進めるため、F1から撤退したのです。
kojackも先日、燃料電池車に試乗しました👇
トヨタ ミライ…次代のモータリゼーションを担うクルマです。
クリーンで快適、シティコミューターとして優れた車だと思います。
また、トヨタは昨夏、水素を燃料としたエンジン(ガソリンの代わりに水素でエンジンを回す)を開発し、耐久レースに参戦。
豊田章男社長自らステアリングを握り、見事完走を果たしました。
世界各国が203X年までにガソリンエンジンを廃止し、環境負荷の小さい自動車の製造・販売に切り替えることを発表しています。
ある意味当然の動きですね。
これだけ環境破壊が進み、クルマだけでなく、人が暮らしていくことが危ぶまれる事態の中で人とクルマが共生するために、新たな動力源、新たな技術、新たなクルマを ”脱炭素社会” が求めるのは当たり前のことです。
ガソリンエンジンにしかない魅力
ホンダは、レースの中で磨き上げた技術を市販車にフィードバックする形で様々な画期的技術を確立してきた会社です。
特に、エンジンに関しては世界的にも優れた性能と技術を誇り、レース界でも市販車部門でも常に頂点を競ってきました。
東京・青山にあるホンダの本社ビルには今でもF1黄金期のエンジンが飾られています。
ある役員さんが語っていました。
「このエンジンが礎となってホンダの未来があるのです。だから、これはこれからも展示し続けます。」と。
話は変わって、今日、用があって東京・町田のアライ鈑金さんにお邪魔してきました。
荒井社長は、フェラーリ板金塗装の世界では知らない人はいない神様のような方です。
ひとしきりフェラーリ談義を楽しんだ後、荒井社長がふと、
「フェラーリもこれから電気自動車になると思うけど、やっぱりガソリンエンジンがいいよね。あの ”ファーーン” って吹け上がる時の音、振動がないとクルマじゃないよね。」と。
本当に心から出た言葉だなぁ、と感じました。
初めてサーキットにレースを観に行ったことを思い出します😌
何より驚いたのは、音。
鼓膜が痒くなるような、ビリビリと空気が震えているのが手に取るようにわかるほどの異空間でした。
その振動はやがて増幅されて身体に伝わり、ぞわっと鳥肌が立ったものです。
それは得も言われぬ心地良い感覚でしたね😆
『吸気ー圧縮ー爆発ー排気』
1分間に何千回も繰り返されるピストンの上下運動。それはクランクシャフトを回し、回転運動に変える。
ただ、それだけのこと。
そして、ガソリンエンジンにしかできないこと。
人類が140年余りも拘り続けたガソリンエンジン。
その音、その振動、その仕組み…ガソリンエンジンの魅力は尽きることがありません。
未来への遺産
些か、個人趣味的な話に終始していますが、前述の荒井社長と未来のクルマとガソリンエンジンについて語りましたので、少し記します。
当然のことながら未来に向かってはガソリンエンジンに代わる動力源(電気や燃料電池によるモーター駆動など)が搭載されると思うのですが、これまで慣れ親しんできたガソリンエンジンを簡単に捨てることはできないのでは?と二人とも考えています。
荒井さんは、
日常の足としては便利だし、環境にもお財布にも優しい電気自動車に取って代わるだろうけど、趣味としてのクルマには、やっぱりクルマとしての楽しみを求めるだろうからガソリンエンジンの合成音、例えばフェラーリなんかはF1とか名車のエンジン音を合成して車内に聴かせるようになるんじゃないの?」
とおっしゃっていました。
これにはkojackも同感。
トヨタ ミライには既に装備されている機能ですww
そして、前項でも触れたとおり、ホンダのように社会の要請に応えながらも、技術者の心の核にはガソリンエンジンが宿っていて、それをルーツにしながら未来のクルマを開発していくのだろう、と思っています。
ガソリンエンジンはこれからもクルマ好きの間で大切に守られ、技術者の心の中で生き続けることでしょう。
クルマの歴史を作り、いくつもの時代を切り拓いてきたガソリンエンジン。
自動車史の中で永遠に輝き続けるレガシーとなることを確信しています😌
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